トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

乳幼児がいる場合の地震の対処方法とは?

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わが家にはまだ3カ月の乳幼児がいるのですが、先日、子どもが生まれてから初めての、地震が起きました。少し揺れを感じる程度だったのですが、赤ちゃんがいるため、パニックになってしまい、赤ちゃんを抱きあげて、家の中を右往左往してしまいました。今度はきちんと対応できるよう、準備をしておきたいと思います。乳幼児がいる際、とっさにとるべき基本の行動など地震の対応方法を教えてください。

小さくとも揺れを感じたら、赤ちゃんの所へ駆け寄るようにしましょう

■乳幼児がいる家庭で地震に襲われた際は?


1)大きな揺れに襲われる前に、赤ちゃんの側に行く

大地震に襲われた場合、揺れが収まるまでは身動きがとれません。大きな揺れに襲われてからでは、赤ちゃんの側に駆け寄ることすらできなくなりますので、揺れが大きくなる前に赤ちゃんの側に行けるようにすることが大切です。


カタカタという小さな揺れを感じた場合、「大丈夫かなぁ…」と周囲を見つめたり、手近なものを何となく支えたりしがちですが、これはNGです。どんなに小さな揺れであっても、揺れはじめた瞬間、また緊急地震速報のアラームを受信した瞬間、赤ちゃんの所へ駆け寄る習慣を付けましょう。それで収まれば「あぁよかった」で済ませればよいのです。


2)赤ちゃんに覆い被さり、抱っこして守る

大きな揺れに襲われた際は、赤ちゃんと自分の身を守ることが最優先です。室内であれば、赤ちゃんに覆い被さる形で守り、屋外でベビーカーに乗せていればべービーカーごと覆い被さるようにし、だっこ紐で抱えていれば赤ちゃんを守るようにうずくまります。


ただし、大人が負傷してしまうと、その後赤ちゃんを守ることができなくなります。自分はどうなっても構わないから、赤ちゃんに傷1つ付けないようにするのではなく、赤ちゃんも自分も助かるように身を守りましょう。


3)揺れが収まったら、周囲の状況を確認して行動を決める

揺れが完全に収まったら、赤ちゃんと自分の怪我の状況を確認します。地震の直後には大きな余震が来る可能性がありますから、しばらくは赤ちゃんを抱きかかえたまま、自宅や周囲の状況を確認します。


その後は、自宅に留まるか避難所へ行くかを判断します。自宅の損傷が激しかったり、津波の心配がある地域の場合は、日頃からまとめておいた赤ちゃん用の避難グッズを持って、速やかに避難を始めましょう。ただし、赤ちゃん連れでの避難所生活は想像以上に苦労しますから、遠くの親戚の家などと事前に話し合っておければ安心です。


■乳幼児がいる家庭の地震対策は?


●赤ちゃんの周りを安全空間に

・ベビーベッドや赤ちゃんがいる場所の周りに、転倒物や落下物を置かないようにする。

・大人がいる場所から赤ちゃんがいる場所までの通路にも、物を置かないようにする。

・テレビやピアノなどの重量物は、ベビーベットから離れていても固定する。


●赤ちゃんのための防災グッズを用意

赤ちゃんのお世話に必要な道具を避難所で調達するのは大変ですから、普段から緊急用にまとめておくようにしましょう。地震直後の混乱が落ち着くまでの3日分程度はリュックサックに、流通が回復しはじめるまでの1週間分程度は、自宅に常備するようにしておきましょう。


・普段は母乳であっても、最低限の粉ミルクは用意しておく。

・普段は布おむつであっても、最低限の紙おむつは用意しておく。

・おむつ、おしりふき、ガーゼ、粉ミルクなど、必要な道具は普段から多めに常備するようにして、減ったらその分を買い足すような習慣をつけましょう。


備え・防災アドバイザー 高荷智也

筆者の写真

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

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