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海外旅行中に病気になったときの対処方法とは?

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先日、母が海外旅行に行ったときに、急にホテルでお腹が痛くなってしまったそうです。日本から常備薬を持参していたため、薬を飲んで症状はおさまったそうですが、もし、海外で病気になったらどうしたらいいかわかりません。海外旅行中に体調を崩したり、病気になったときの対処方法を教えてください。

現金・パスポート・クレジットカードを持って病院へ行きましょう。

海外旅行先で具合が悪くなったときは我慢せず、早めに医師に診てもらうことです。ツアー参加の場合で添乗員つきであれば、まず添乗員へ状況を伝え、病院を探してもらうようにします。個人旅行の場合は、ホテルのレセプションに相談して、病院を紹介してもらうとよいでしょう。高級ホテルのなかには、専門の看護師を置いているホテルもあり、深夜でも対応してくれます。


海外で病院に行くためには


病院へ行くときに持参するべきものは、


[ 1 ] 現金ならびにクレジットカード
[ 2 ] パスポート
[ 3 ] 服用した薬
[ 4 ] (持っていれば)英文診断書・英文処方箋
[ 5 ] (持っていれば)海外旅行保険契約証


となります。海外の医療費は高額です。公立病院であっても、相当の費用負担になります。例えばハワイ・ホノルルで風邪で病院にかかった場合、日本円で15,000円程度はかかります。


一般に海外の病院はクレジットカードの利用が可能ですが、なかには現金しか受けつけない病院も。そのため、ある程度の現金を持参するようにしてください。当座の現金がないときや重篤な場合などは、日本領事館や日本大使館(在外公館)に相談するようにしましょう。


なお海外旅行保険を契約している場合、さまざまな条件に対応してくれる可能性がありますので、まずは所定の連絡先に電話をしてみましょう。また、保険会社の指示に従い、医師の診断書や領収証をもらいます。


発展途上の国々の場合は、外国人も安心して診てもらえる国際病院(インターナショナル・ホスピタル)へ行きましょう。街なかの開業医は、衛生面で心配があることがあります。アメリカ、カナダなどの北米圏、ヨーロッパやオーストラリアなどでは、大病院にかかる前にクリニック(診療所)で診てもらってから、そこで発行された診断書を持って大病院へかかる手順になっています。


なお元々持病がある人は、出発前に日本のかかりつけ医で英文の診断書を作成してもらい、旅行に持参するようにします。服薬している場合は、英文の処方箋も必要です。また、ほかにも以下のような注意点があります。


・現地で処方された薬は、容量が多いものもあるので注意
・開発途上の国々では、偽薬なども出回っていることも
・注意書きや成分表示をよく読んで服用する
・容態によって救急車を呼ぶ場合、海外の救急車出動は一般的に有料で、距離に応じて費用が異なる
・オーストラリアは薬の持ち込み制限がある
※詳しくは在日オーストラリア大使館の公式ウェブサイトを参考にしてください。


事前に渡航先の伝染病などを確認


伝染病が流行している国・地域への渡航には特に注意が必要です。不要不急でなければ、旅行自体を検討するべきでしょう。どうしてもという場合、マスクや消毒スプレー、うがい薬などを持参するほか、方面によっては事前に予防接種を受けてから行くようにします。
※詳しくは厚生労働省検疫所の公式ウェブサイトを参考にしてください。


高熱を発している場合、伝染性の発熱を疑われ、飛行機への搭乗を拒否されるケースもあります。早めに現地の病院にかかり、体調を整えるようにしましょう。また日本帰国後に急に発熱や下痢をしたり、何らかの伝染病に罹患した可能性があると感じたら、すぐに保健所か病院へ行き検査を受けるようにしてください。

   


日本から常備薬を持参しましょう


海外旅行中に体調不良になった場合でも慌てずに対応するためには、日本から常備薬を必ず持参することです。また、体温計があると急な発熱時にも使え、通院時にも症状が伝えやすくなります。


<海外旅行時に日本から持参したい常備薬>
・胃腸薬、下痢止め、便秘薬など
・総合感冒薬、咳止め、鼻炎薬など
・解熱鎮痛剤
・消毒液、絆創膏
・うがい薬
・虫よけスプレー、虫刺され薬、携帯虫よけ器


東南アジアやアフリカなどに渡航する場合、虫よけは特に必要です。そのほか、目薬やコンタクトレンズ関連は使い慣れたものを日本から持って行きましょう。ほかにもあると便利なものとして、体温計・耳かき・爪切り・使い捨てカイロ・冷却ジェルシートなどがあげられます。特に乳幼児と海外旅行に行く際には、子ども用の薬一式のほか、解熱用の座薬があると便利です。


普段、生活をしている日本と気候も食事も異なる海外では、体調も崩しやすくなりがちです。健康に海外旅行を楽しむためにも、病気の際の対応方法や常備薬の持参など、事前の準備をきちんと行っておきましょう。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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