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源泉徴収票の正しい見方とは

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会社から源泉徴収票をもらいましたが、各項目がどのような内容(意味)なのかよくわかりません。源泉徴収票の正しい見方について教えてください。

その年に支給された所得と所得税の計算根拠を確認しましょう。

源泉徴収票は会社勤めの方であれば必ずもらうものですが、一体何に使うかよくわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは源泉徴収票の役割や、チェックすべきポイントを分かりやすくご説明します。


■源泉徴収票の役割とは

税務署や市区町村はその年の所得税や住民税を個々人の行う確定申告によって把握していますが、日本は雇用社会のため圧倒的に会社勤めの方が多いので、会社が社員本人に代わって確定申告(≒年末調整)を行い、住民税を納めているケースがほとんどです。源泉徴収票は、その際の計算根拠となるものです。ここでは、給与所得の源泉徴収票について説明します。


■年末調整の役割とは

本来所得税は、毎月計算する必要があるのですが、社員によって扶養の数や民間の保険加入の有無、住宅ローン控除の有無などによって変動的です。そのため、会社は毎月の給与で所得税を「みなし」で計算し控除しています。そして、毎年11月位に提出する扶養控除申告書や保険料控除申告書、住宅ローン控除証明書などで正確な額を計算し、年末調整にて過不足を精算します。


■源泉徴収票のチェックポイントとは

年末調整が終わると、12月から翌年の1月にかけて会社から源泉徴収票をもらえます。

源泉徴収票にはさまざまな項目がありますが、まずは「支払金額」「源泉徴収税額」欄の金額をチェックするようにしましょう。


「支払金額」欄は、その年(1月から12月まで)の給与の総額となります。ただし、10万円までの通勤手当は非課税となりますのでここには含まれません。


「源泉徴収税額」欄は、扶養控除申告書などにより会社で再計算し、確定した税額となります。これが毎月給与から天引きされている「みなし」の所得税額と計算して年末調整で清算された額となります。


源泉徴収票


https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/

hotei/annai/pdf/h28/23100051-01.pdf
)を加工して作成

(最終確認:2016年5月13日)

上記の欄をチェックして金額がおかしいな?と思ったら、一度会社の担当部署に問い合わせてみるといいでしょう。


■マイナンバーについての注意点

平成28年1月1日よりマイナンバー(個人番号)制度が開始され、同時に様式が従来のA6サイズからA5サイズに変更されました。


また、すでに会社へマイナンバーの報告を行った方も多いかと思いますが、社員へ交付する源泉徴収票にはマイナンバーの記載欄は設けられていません。マイナンバーを取り扱う事業者はその番号を適切に管理する義務を負うことになりますので、ローンを組む際や転職時に源泉徴収票を提出する場合、マイナンバーが記載されていると金融機関や転職先企業が受け取りを拒否する可能性もあります。


そのため、万が一マイナンバーが記載された源泉徴収票を受け取った場合は、会社に依頼してマイナンバーの記載のない源泉徴収票を再発行してもらいましょう。


源泉徴収票の保管方法の注意点についてはこちらでご紹介しています。

「源泉徴収票の保管と再発行の方法とは」はこちら

https://park.sompo-japan.co.jp/japanda_ch/japanda-ch/money/other/800071.html


社会保険労務士 田治米 洋平

筆者の写真

給与や年金の疑問をわかりやすく解説します。

社会保険労務士の立場からお金に関するお話をお届けしています。 給与や年金は多くの人にとって身近な問題です。 最近何かと話題のこれらの情報を、私、田治米洋平がナビゲートします。

【URL】 http://www.sr-tajime.com/
【経歴】 社会保険労務士。同志社大学卒業後、IT企業にて人事管理部門にて勤務。 2006年、独立。2014年青山学院大学大学院法学研究科修了。
【監修】 「起業に関するお金Q&A」(日経産業新聞)、IT現場の労務問題(「労務事情」産労総研)、「資金調達マニュアル」(経産省DG)、「労務トラブル相談」連載(マイナビ)他

※上記に関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。