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トラブル解決術

家庭の火事の出火原因とは?火事の予防方法

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2018.03.23 更新2018.03.29

最近、近所で消防車のサイレンをよく耳にします。特に冬場は乾燥していることもあり、普段から火事にならないよう意識はしているのですが、サイレンの音が聞こえるたびに、我が家も火事にならないか心配になります。家庭でできる火事の予防方法や対策にはどのようなことがあるのでしょうか。また、家庭で起こる火事の出火原因について教えてください。

出火原因は、総合で「コンロ」が1位。夜間出火につながる「たばこ」「ストーブ」にも注意をしましょう。

住宅火災で被害を最小限に留めるポイントとしては


[ 1 ] 出火させない

[ 2 ] 確実な初期消火

[ 3 ] 速く逃げる


ということがあげられ、対策用の器具としては「住宅用火災警報器」が有効とされています。この理由を、住宅火災に関するデータ「平成29年版 消防白書」をもとに探ってみましょう。


住宅火災は、建物火災全体の約半数!


「平成29年版 消防白書」の2016年の統計では、合計36,831件の出火があり、うち建物火災が20,991件で、住宅火災はこの約半分となる10,523件でした。住宅火災は年々減少傾向にあるものの、出火原因を理解することで、火事を防ぐためのヒントが隠されているかもしれません。


建物火災の原因ランキング
それでは、実際にどのような出火原因があるのでしょうか。建物火災における出火原因ランキングをもとに、それぞれの対策とあわせてご紹介します。


1位 : コンロ

2位 : たばこ

3位 : 放火

4位 : ストーブ

5位 : 配線器具


●コンロ火災
建物火災の原因は、どんな住宅にも必ずある「コンロ」が出火ランキング1位の原因でした。ガスコンロと電気コンロの割合を比較すると、ガスが9割以上を占めています。また出火にいたる経緯を見ると、「コンロを放置した」が過半数となっており、自動消火装置がついているIHクッキングヒーターやSIセンサーコンロを導入することが、コンロ火災対策に有効であることがわかります。


●たばこ火災
出火原因2位は「たばこ」です。出火にいたる経緯を見ると、「不適当な場所への放置」と「火源が接触・落下」の2点で大部分を占めています。後述しますが住宅火災は深夜に発生しやすく、かつ寝具や衣類への着火が多いのですが、これは「寝たばこ」が主要な原因の1つであるためと考えられています。火災予防のポイントでわざわざ「寝たばこをしないこと」と名指しされることも多く、住宅火災の防止策として重要な項目です。


●ストーブ火災
冬季にしか使用しない「ストーブ」が出火原因4位でした。ストーブの内訳としては電気ストーブと石油ストーブが半々で、出火の経緯は次のようなものがあげられます。


・可燃物と接触した

・燃えやすいものをそばに置いていて出火した

・洗濯物が落下した


たばこ同様、就寝時にストーブが寝具や衣類と接触して出火するケースが多いため、ストーブの周りには燃えやすいものを置かず、寝るときは必ず消すという正しい使い方が火災防止につながります。


●配線器具(電気器具)火災
配線器具とは延長コードやテーブルタップなどを指しています。電気火災全般で見た場合、電気ストーブ以外の家電そのものが出火原因になることは滅多にありません。主な原因は次のような場合です。


・コードを束ねたり、家具で踏みつけたりした結果の「発熱」


・古くなったコードやプラグがショートする「短絡」
※電気回路で、電位差のある2点間を極めて抵抗の小さい導体で接続すること


・湿ったホコリが蓄積して火花が飛ぶ「トラッキング」


ストーブ同様、正しい使い方と適度な清掃が電気火災防止に求められます。


死者の出た住宅火災の原因ランキング(放火自殺者を除く)


出火原因ランキングを「住宅火災で死者が出た火災」に限定すると、出火原因に変動が見られます。


1位 : たばこ

2位 : ストーブ

3位 : 電気器具

4位 : コンロ

5位 : マッチ・ライター


「コンロ」や「マッチ・ライター」など「目の前で」使う道具による火災では、初期消火や避難ができるため死にいたることは少なく、「寝たばこ」「就寝時ストーブ」「知らぬうちに配線から出火」など、気づいたときには手遅れだったというケースにつながる出火原因が、死傷事故となるような火災原因の上位となっているのです。


●着火物について
出火時、「何に着火したか」の内訳を見ると、「寝具類」「衣類」「ゴミ類」に、「カーテン・じゅうたん類」「繊維類」などを加えたものが大多数となります。それにより、就寝時に寝具や衣類などに着火して…というケースが多いことがわかります。そのため、火災を知らせる住宅用火災警報器による早期発見、就寝時に起床を促すための対策が重要となります。


●出火時間について
住宅火災の出火時間を見ると、日中よりも深夜の割合が高くなっています。「時間帯別の住宅火災による死者発生状況」において、最も少ない「10~12時」と最多となる「4~6時」では約2.3倍の開きがあるなど、火災は深夜に集中していることがわかります。前述のとおり、就寝時の火災早期発見が死傷者を減らすポイントになるわけです。


●火災の死因と死にいたる経緯
建物火災による死因を見ると、「炎(火傷)」が最も多く、次に「煙(一酸化炭素中毒・窒息)」となっており、死の経緯を見ると「逃げ遅れ」が全体の46.7%を占めています。そもそも出火させないことが重要ですが、万が一出火した場合は火災警報器などで早期に火災を知らせることで、逃げ遅れによる死傷者を減らすことができるのです。


出火原因、時間帯などを知ることにより、さまざまな対策を取れることと思います。普段から「火を出さない日常生活」を心がけ、安心できるくらしを目指しましょう。


※参考:「平成29年版 消防白書」総務省消防庁
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h29/h29/pdf/h29_all.pdf
(2018年2月19日最終確認)


備え・防災アドバイザー 高荷智也

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

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