トラブル解決術

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ブラジルの通貨・時差など、基本情報とは?

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今度、サッカーを見るためにブラジル旅行を計画しています!これまでブラジルには行ったことがなく、また日本からとても遠いのでわからないことだらけです。現地でトラブルにならないためにも、ブラジルの通貨や時差、言葉などブラジルの基本情報について教えてください。

英語が通じるのは一部のホテルや空港だけと考えましょう。

■ブラジルの通貨とは

ブラジルの通貨はブラジル・レアル(Real) です。補助通貨をセンターボ(Centavo)といいます。1レアル=100センターボです。1レアルは、約46円(2014年6月7日現在)。レアル紙幣は7種類(1、2、5、10、20、50、100)あります。1レアル紙幣は、今は発行されていません。 硬貨は6種類(1、5、10、20、25センターボと1レアル硬貨)あります。


10センターボ以下の端数は、お釣りをもらえないのが一般的です。外貨からレアルに両替するときは、少なめに行い、できるだけ小額紙幣でもらうようにしましょう。金額の表示(一例)は、「R$3.50」です。

また、現地の両替所カンビオ(Cambio)でブラジル・レアルへ両替する場合、日本円では受け付けてもらえず、米ドルが対象になるのが一般的です。日本円とは別に、米ドル紙幣を用意しておきましょう。そのとき米ドルも、小額紙幣で用意することを忘れずに。


円から米ドル、さらに現地で米ドルからレアルに両替をすると、手数料が2回かかります。日本の主要銀行や空港内の両替所でもブラジル・レアルの両替を受け付けており、その場合は日本円から直接、レアルへの両替が可能です。


また、ブラジルの到着空港にも、両替窓口があります。現地で遣いきれる分だけ両替するようにします。

多額の現金を持ち歩くのは危険です。50レアル紙幣以下を、ポケットなどいくつかに分けて持ち歩くようにしましょう。チップ用に1レアル、2レアル札を多めに用意しておきましょう。


■日本とサンパウロの時差

サンパウロと日本の時差は、-12時間です。日本が12時間進んでいます。

ブラジルは国土が広く、サンパウロやリオデジャネイロは-12時間ですが、ブラジル北西部は-13時間です。内陸の都市・クイアバは-13時間です。


また、サマータイムのサンパウロは-13時間の時差です。サマータイムの開始時期は毎年異なり、2014年は10月19日から2月22日までサマータイムが実施されます。


■ブラジルの公用語はポルトガル語。英語はホテルなど一部に限られる

ブラジルの公用語は、ポルトガル語(ブラジル・ポルトガル語)で、世界最大のポルトガル語人口国です。先住民の言語が使われている地域もあります。ブラジルでは、英語が通じるのが一部のホテルや空港だけで、一般の商店などでは、あまり通じません。簡単な挨拶程度のポルトガル語を、覚えておくとよいでしょう。


 こんにちは:Boa tarde (ボア・タルジ)

 おはよう :Bom dia(ボン・ジーア)

 こんばんは:Boa noite(ボア・ノイチ)

 さよなら :Tchau (チャオ)

 あなたのお名前は?  :Qual é o seu nome?(クアウ・エ・オ・セウ・ノーミ)

 どちらのご出身ですか?:De onde você é?(ジ・オンジ・ヴォセ・エ)


■ブラジルの気候と特徴

広大な国土のブラジルは、その9割が熱帯地域で、大きく5つの気候帯に分かれます。気候帯は、熱帯性気候、亜熱帯性気候、半砂漠型乾燥気候、高地亜熱帯性気候、温帯性気候の5気候帯です。大西洋沿岸のリオデジャネイロやレシフェは温暖で、リゾート地が多くあります。また意外に知られていませんが、ブラジルの南部3州では雪が降るときもあります。  


南半球のブラジルは、日本と季節が逆転します。冬の時期は、6月下旬から9月下旬にかけてです。代表的な各都市の気候は下記の通りです。


・サンパウロは高原都市で、年間を通じて温暖です。ただし6~8月は冬のため、10℃以下になることも。6月のサンパウロの最高気温は21℃、最低気温は11℃です。暖かい服装が良いでしょう。


・リオデジャネイロなどの海岸地帯は、貿易風の影響で気温が高めです。また、南部は、季節によっては降霜もあり、気温が氷点下になることもあります。年間平均気温は24℃前後と、1年を通じて寒暖の差はわずかです。


・港湾都市のレシフェは、貿易風の影響を受けます。6月のレシフェの気温は、最高気温29℃、最低気温22℃で、雨量が400ミリ程度と多い時期です。年間を通して海水浴ができます。


・ビーチリゾートのナタールは、6月の最高気温は30℃、最低気温23℃で、雨量はレシフェに比べると少なめ。高温多湿の気候です。


・クイアバは、南米大陸のほぼ中央に位置しており、内陸性の気候で寒暖の差が激しい場所です。日中は40℃を超えることもあり、ブラジルで最も暑い都市と言われています。6月の最高気温は31℃で、最低気温が17℃、乾期のため雨は降らないでしょう。


ちなみにクイアバは、蚊を媒介に伝染する風土病・黄熱に注意を促している地域です。黄熱予防接種は、接種から10日後に有効となります、有効期限は10年間で、ワクチンは日本国内25か所の接種機関で接種できます。料金は1万円程度です。病気療養中や妊娠中の方は接種できないので、詳しくは最寄りの接種機関に問い合わせるとよいでしょう。


ブラジルでは、入国する際に予防接種国際証明書(イエローカード)は求められませんが、注意を促している地域に行く場合は予防接種を自発的にされることをお勧めします。一部の国では、ブラジルからの入国者に対してイエローカードが求められる場合があります。


■ブラジルの電圧・コンセントの形状

電圧は地域により異なります。海外旅行用電気製品・アダプターを用意しましょう。サンパウロやリオデジャネイロは110ボルトで日本と同じですが、首都ブラジリアやレシフェ、ナタールは220ボルトで日本とは異なります。127ボルトの地域もあります。


ドライヤーや電気シェーバーなど、日本から電気製品を持参するときは、海外旅行用のものを選ぶようにしましょう。110ボルトの日本製品を、ブラジルの電圧の異なる地域で使用する場合、変圧器が必要です。また、110ボルトの地域であっても、海外対応ではない日本製品は故障する可能性があります。


ちなみに、パソコンやデジタルカメラ、スマートフォンの充電器は、世界標準なので、原則、変圧器は不要です。各地を移動する人は、トラベルコンバーター(旅行用変圧器)を持参するようにしましょう。


コンセントプラグの形状が、さまざまあるのもブラジルの特徴です。日本の2つ穴Aタイプと異なる場合が多いので、アダプターが必要です。多くは、2つ穴のCタイプといわれる形状か、Aタイプ、もしくは3つ穴の新たなタイプ(Nタイプ)への移行も始まっているので、マルチタイプの海外旅行用アダプター(さまざまな形状に対応可能なもの)を持参するようにします。


夜間にカメラやスマートフォンなど複数機種の充電をしたい場合は、1つのアダプター持参では足りません。2~3個持参しないと、翌朝までに充電しきれないとも限りません。特に寒いときは、デジタルカメラの充電を十分にしておくこと。PC用の交換バッテリーは、航空会社によっては預かってもらえませんので、注意が必要です。


※ブラジルには治安が悪いエリアもあります。外務省発表の危険情報をよく確認し、行動には十分に注意をしてください。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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