トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

搭乗前や機内で体調が悪くなってしまった時の対処方法とは?

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週末に韓国へ行く予定なのですが、ちょっと熱っぽく体調がすぐれません。週末までに治ればいいのですが、搭乗前や機内で体調が悪くなった場合はどうしたらよいのでしょうか?また、機内の過ごし方に注意点などありましたら教えてください。

発熱時の渡航は到着後、上陸を拒否されることも 医師と相談して早めの判断を

旅先では、時差や旅の疲れから体調を崩す人が珍しくありません。せっかくの楽しい海外旅行も、ひどい風邪に見舞われては台無しです。現地に到着してから発熱などの症状が出たのであれば、速やかに病院で手当てを受けるなどして快方に向かわせることができます。ところが渡航直前に症状が現れた場合、渡航を断念することも含め、注意して判断しなくてはなりません。


なぜなら、各国ともに検疫制度があるからです。健康状態が良好であることも、入国の条件です。特に発熱がある人や重い下痢などの症状がある人は、上陸を拒否されることがあります。ですから入国審査の前に問診票の提出を義務づけるだけでなく、サーモグラフィーで発熱の状態をチェックするなど、万全を期す空港が、近年、増えています。自己申告をしなくても、健康状態が悪いと判断されれば、足止めをくうことになります。水際で、悪性のウイルスなどの侵入を防ごうとするのが、空港検疫なのです。


もしも上陸を拒否されれば、降機はしたものの入国できずに、すぐさま帰国の途につかねばなりません。また長時間のフライトで密室状態ともいえる機内では、ウイルスなどが拡散しやすく、他の搭乗者に迷惑をかけます。よって、航空会社が搭乗を拒否することもあります。場合によっては、大きな事態へと発展することでしょう。


渡航前に体調がすぐれないのであれば、少しでも早くに医師と相談して判断を仰がなくてはなりません。渡航可能な状態と判断されたのであれば、万一のために、病院から英文の診断書と薬の処方箋を取り寄せ、いつでも申告できるよう準備をしてから渡航するようにします。


搭乗の直前に調子が悪くなったなら、航空会社の職員に申し出るようにしましょう。国際空港内には、医務室や24時間クリニックが併設されています。また、搭乗中に気分がすぐれなくなった場合は、客室乗務員に事情を話して、しかるべき対応をお願いすることになります。ただし機上でできることは限られています。空席がなければ、横になることもままなりません。チェックイン時に申し出ておけば、状況によっては配慮してもらえるでしょう。「旅は道連れ」と言いますが、たまたま座席が隣合わせただけで見ず知らずの人から風邪をうつされたら、せっかくの海外旅行も台無しです。咳などの症状がなくとも、マスクを着用するなどのマナーを忘れずに。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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