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車椅子で海外に行く時の注意点とは?

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秋に母を連れて、カナダへ海外旅行に行く予定を立てています。母は足が不自由で車椅子生活を送っているのですが、母のような車椅子の方は、どうやって手荷物検査を受けるのでしょうか?搭乗する時にはどうすればいいのでしょうか?初めてのことだらけで不安でいっぱいです。車椅子での海外旅行の注意点など、教えていただければと思います。

空港内や機内では専用車椅子も 早めに航空会社へ伝えましょう

車椅子を使用する旅行者のために、各航空会社ではさまざまな訓練を行っています。チェックインから搭乗まで、航空会社職員が手を貸してくれるので、心配はありません。ご自身が使い慣れた車椅子、電動カートから折り畳み車椅子まで、ほとんどのタイプのものが輸送可能なのが一般的です。まずは予約時に、使用している車椅子のタイプ、サイズを伝えてください。


受託手荷物として航空会社へ預ける場合は、搭乗の最低48時間前もしくは72時間前を目安に、早めに車椅子を預ける旨を航空会社へ報告しないとなりません。また保安検査の都合上、出発当日のチェックインも早めに済ませるようにしましょう。いずれも予約時に、細かな案内がされるでしょう。特にバッテリー式の車椅子を使用している場合、バッテリーは危険物とみなされ、細かな規定があります。電池の種類によっては、手続きが煩雑になるので、早めに車椅子の仕様を伝え、航空会社の指示を仰ぐようにしましょう。


空港に到着したて後、ご自身の車椅子を航空会社へ預ける場合は、チェックインカウンターで空港専用の車椅子に乗り換えることになります。搭乗時は再び、機材にあった大きさの機内専用車椅子に乗り換えることになるでしょう。機内専用車椅子には、いくつかのタイプがあります。そのまま搭乗する「アイルチェア」と呼ばれるタイプの車椅子を用意、設置するケースもあり、これらは航空会社や機材によって異なります。

もし折り畳み式の車椅子を普段からご使用で、機内持ち込みが許可されるタイプ、サイズのものであれば、そのまま搭乗することも可能です。搭乗後は、機内の所定の収納場所へと収容してもらうことになります。収容台数に限りがあるので、あらかじめ確認してから搭乗することになります。いずれにしても車椅子を使用する人と付添人は優先搭乗の対象なので、ゆっくり慌てず、機内へと案内してもらうことができるでしょう。


ご旅行先のカナダをはじめ北米圏は、空港施設はもちろん、街中やホテル客室もバリアフリー化が進んでいます。乗継便で小型の機材になったとして、搭乗橋(ボーディングブリッジ)ではなく階段(タラップ)を利用するタイプの機材であっても、専用の昇降具を用意してもらうことができますから安心です。世界では数多くの人たちが、車椅子で空を旅しているのです。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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