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海外での水道水事情とは?

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お正月にハワイへ海外旅行に行く予定です。海外では日本のように水道水が飲めない場所もあると聞いたことがあります。海外の水道水事情について教えてください。

海外では水は有料が当たり前。生水には特に注意を。 

水が安全、美味しいというのは、とても幸せでありがたいことですね。実はハワイの水は安全、安心で、美味しいお豆腐が作られているほど。ハワイでお豆腐が作られるのは、水が清いからに他なりません。そうはいっても、在住者の多くは、蛇口の水道水(生水)を口にせず、市販の水を飲むのが一般的です。


先進諸国で水が清いといわれる地であっても、水道水(生水)を口にするのを避けています。そして、いったん煮沸をしてから調理などに使用します。ここでいう“煮沸”とは、蛇口から出る水道水を一度、沸騰させることをさします。煮沸することで悪い菌が死滅し、石灰などが分離して安心して体内に取り込むことができるので、例えばアジアの一般家庭では、水道水の煮沸処理が当たり前のように行われています。

観光で訪ねる私たちにとって、気をつけなくてはならないのが“水”です。「水があわない」という言葉がありますが、その地によって水質は異なり、味もまちまちです。日本の水道水は軟水ですが、硬水の地へ旅をして、一気に体調を崩す人をよく見かけます。まさに、お腹に水があわなかったのです。

海外で飲料として水を摂取したいのであれば、市中のスーパーマーケットなどで一般に販売されているペットボトルの水を購入するようにします。また、現地で調理などに使用する場合は、必ず一度、煮沸してから使用するようにします。


アジアなどで注意したいのが、「生野菜のサラダ」と「氷入りのジュース」です。いずれも“水”の安全性が一因します。生野菜サラダの場合、野菜を洗う水がそもそも衛生的でないことがあるからで、お腹をこわす人をよく見かけます。一般に、大手の外国人がよく利用するホテルのレストランなどで供される生野菜サラダであれば、問題なくいただくことができます。ローカルレストランや屋台では、加熱調理の品を選ぶこと。そしてジュースを飲むときには、氷入りに気をつけましょう。トロピカルフルーツなどを絞った100%果汁ジュースは、そこに浮かんだ氷が解けると、お腹をこわすケースがあります。屋台などの商品に、特に注意が必要です。

海外旅行では、熱射病などで脱水症状になる人が少なくありません。足がつるといった諸症状があらわれたなら、市販のアルカリイオン水を少量ずつでも飲むようにすれば、点滴と似たような効果が得られます。ペットボトルの水を無理して飲むより、吸収も早く効果的です。これらアルカリイオン水が見つかりづらい国や地域へ行く場合、日本からパウダータイプのものを持参して、現地で購入したペットボトルの水に溶かすようにするとよいでしょう。水との付き合い方も、旅には求められてくるのです。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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