トラブル解決術

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スーツケースが破損したときの対処方法とは?

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夏休みにヨーロッパへ遊びに行ったときのことです。空港に到着後、スーツケースを受け取ったら、キャスターの部分が破損していました。少し運びにくかったのですが、そのままにして旅行を続けました。後日、友人にこの話をしたら、修理してもらえばよかったのに!と言われたのですが、 航空会社がスーツケースを破損した場合、修理してもらえるのでしょうか?スーツケースが破損したときの対処方法について教えてください。

すぐに航空会社の係員に伝えて補償手続きをしましょう。

航空会社にあずけたスーツケースなどの手荷物(バゲージ)が、目的地に到着後、破損した状態でターンテーブルから出てきた場合は、すぐにターンテーブルの近くにいる空港職員や航空会社の係員に手荷物が壊れた旨を伝えて、補償を受ける手続きを取るようにしてください。


手荷物事故報告書(PIR)を作成してもらう


航空会社は、あずかったスーツケースなどが破損した場合、その損害を賠償する責任を負わねばなりません。そのとき必要になるのが、航空会社に手荷物をあずけたときに引き換えに渡されるクレーム・タグ(手荷物引換証)です。このクレーム・タグの番号をもとに、「手荷物事故報告書(PIR)」を作成してもらいます。申請者はサインをして、航空会社の指示を仰ぐようにします。


修理が可能なものは、帰国後、航空会社が修理を行うことが一般的ですが、対応方法にはいくつかの種類があります。


[ 1 ] 自分で修理を行い、修理費用を航空会社に請求する方法
[ 2 ] 航空会社(または指定修理業者など)に破損したスーツケースを送り、修理を委託する方法


見積もりや修理にかかる費用は、航空会社が負担します。ハンドル(取っ手)が取れた・キャスターの車輪が外れた・歪んだ・鍵が壊れたなどの破損は、修理になるケースが多い印象です。


万が一、スーツケースの中のものが飛び出すほどの破損を受けても、旅行中であればそのまま旅を続けるしかありません。そうした場合は、スーツケースベルトがあると便利です。スーツケースの取り違えを防ぐ、目印の代わりにもなります。


手元にベルトがなければ、航空会社の係員に言えばガムテープなどで応急処置をしてくれます。英語で言う場合は「packing tape(パッキング・テープ)」で通じます。


空港を出てから、破損に気づいた場合
なかには、空港を出てホテルに到着してから破損に気づく場合もあります。スーツケースを開けようと思っても鍵が開かず、そこではじめて歪んでいたことに気づくケースです。しかし残念ながら、空港から一歩外に出てしまうと、航空会社へ補償を願い出るのは難しくなります。ただ、海外旅行保険を契約していれば、携行品損害として扱ってもらえる場合があるので、早めに保険会社に連絡を取るようにしましょう。


自己負担になるケースも
スーツケースが破損していても、航空会社の補償を受けられないケースもあります。たとえば、航空会社の規定より重量がオーバーしていた場合や、着脱式の名札が破損した場合などです。このような場合は、自己負担(実費修理)でスーツケースを修理する必要があるので注意しましょう。


TSAロックつきのスーツケースが安心


ハワイを含むアメリカ領のすべての空港では、航空会社にあずける手荷物をTSA(アメリカ運輸保安局)が検査します。そのため、「TSAロック(米運輸保安局より認定を受けた、旅具等に備えられた施錠機構の総称)」つきのスーツケースが必要になります。


TSAロックがついていないスーツケースの場合、鍵をかけずにあずけなくてはなりません。もし、TSAロックではない、認定外の鍵をかけていた場合は、勝手にこじ開けられて検査をされることも。アメリカ方面に旅行に行かれる際は、TSAロックつきのスーツケースを用意するようにしましょう。また、スーツケースベルトにTSAロックがついているものも売られています。


海外旅行の必需品のスーツケース。万が一の破損に備えて、適切な対処方法を理解しておきましょう。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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