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消火器の選び方と使い方とは?

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2018.03.23 更新2018.03.29

最近、乾燥している季節ということもあり、よく消防車のサイレンを耳にします。我が家でも火災予防を意識しようと思ったのですが、消火器を使った経験がないことに気がつきました。消火器の基本的な使い方について教えてください。また消火器にはどのような種類があるのでしょうか?消火器の選び方についても教えてください。

住宅用消火器はすぐ使えるように目立つ場所に設置しましょう。

空気が乾燥した日が続くと火事が多発します。もらい火で家屋が焼失する場合もあり、初期消火の重要性は述べるまでもありません。「平成29年版 消防白書」によれば、火災発生時の62.4%で何かしらの初期消火が行われており、そのうちの20.4%に消火器が使用されています。住宅火災の初期消火においても消火器の効果は高く、消火器はぜひ備えておきたい消火設備であるといえます。


家庭における消火器設置のルール


大前提として、一般家庭の住宅に消火器設置の義務はありません。一般住宅以外で、一定の面積以上の建築物については、そのほとんどに消火器を設置することが法律で定められていますが、一般住宅は対象外です。住宅用消火器の設置義務をうたって消火器の販売などがやってきた場合、それは例外なく詐欺行為ですのでだまされないようにしましょう。


住宅用消火器の種類


消火器には、大きく「住宅用」と「業務用」が存在し、法律で設置が義務づけられている場所に置くことができるのは「業務用消火器」だけです。住宅用消火器は、業務用に比べると「小型・軽量」であり、また安価で、かつデザイン性に優れています。では住宅用消火器にはどのような種類があるのでしょうか。


●粉末タイプ
広範囲の消火に威力を発揮する粉末タイプの消火器です。
自宅に1本だけ消火器を準備するのであれば、万能型の粉末タイプをおすすめします。石油ストーブから出火し、床にこぼれた灯油に引火して広範囲が燃えているような場合や、すでに燃え広がって炎が大きくなりはじめているような状況で活躍します。


●液体(強化液)タイプ
台所火災などに便利な液体(強化液)タイプの消火器です。
冷却効果・浸透効果に優れており、天ぷら油火災や、布団・カーテンなどの布が燃えている場合の初期消火に役立ちます。また粉末タイプは後片づけが大変だというデメリットがありますが、液体タイプは後始末が簡単というメリットがあります。


●エアゾールタイプ(消火スプレー)
消火スプレーは、厳密に言えば「消火器」ではなく「エアゾール式簡易消火具」と呼ばれる消火グッズに位置づけられます。安価で小型で使いやすいため、天ぷら油火災など超・初期消火などで役立ちます。なお消火スプレーは「電気火災」に対応していない場合が多いので、電気器具に使う場合は感電防止のため火元の機器のプラグコンセントを抜くか、部屋のブレーカーを落としてから使用してください。
※ハロンを使用したエアゾール式簡易消火具については、天ぷら油火災には有効ではないとされています。使用する前に必ず「適応火災」を確認しましょう。


●住宅用消火器の選び方
そもそも消火器を使うシーンというのは人生に一度あるかどうかですから、後始末のしやすさなどはあまり考慮に入れなくてよいでしょう。それよりも、いざというときにすぐ使えるよう、目立つところに置いておいても問題のないデザインや、価格で選んでしまっても構いません。なお「粉末や液体消火器」の場合は日本消防検定協会の「検定」合格マークがついたもの、「消火スプレー」の場合は評価の証である「NSマーク」がついたものを選ぶようにしてください。


粉末や液体タイプのものは数千円~1万円程度で入手できますので、こちらをメインの消火器として購入し、廊下や玄関などに設置しましょう。さらに自宅のコンロが古いガスタイプであったり、ストーブを使っているような場合は、その部屋に千円前後で入手できる「スプレー式」のものを1本設置、という方法がおすすめです。


消火器の使い方とは


消火器の使い方は簡単ですが、一度も使ったことがない道具をぶっつけ本番、しかも「自宅が燃えている」状況で使うのは勇気がいります。市町村や自治会が行っている防災訓練で消火器を使う機会があれば、ぜひ体験してみましょう。消火活動については次の方法を参考にしてください。


[ 1 ] 助けを呼ぶ
まずは家族や周囲に火災を知らせて、119番の通報を依頼しましょう。これを行いながら消火器を取りに行き、火元まで消火器を持ってきます。なお初期消火に失敗することもあり得ますので、消火器を使う場合は必ず避難経路(部屋の出口)を背中にして火元に対峙してください。


[ 2 ] ピンを抜く
粉末や液体タイプの消火器の場合は、安全ピンを真上に引き抜きます。これでレバーが握れるようになります。


[ 3 ] ホースを構える
ホースつきの消火器の場合は先端を握って火元に向けます。ホースがないタイプやスプレー式の場合は、噴射口を火元に向けます。


[ 4 ] レバーを握る
準備ができたらレバーを握ります(スプレー式の場合はボタンをプッシュ)。レバーが硬い場合は、消火器を地面に置いて、ホースを火元に向け、レバーに体重をかけてもOKです。


[ 5 ] 火元に消化剤をかける
完全に火が消えるまで噴射を続けます。基本的には消化剤がすべてなくなるまで噴射しきるとよいでしょう。なお火元にホースやスプレーを近づけすぎると、噴射の勢いで中の油が飛び散りますので、4~5メートルほど離れたところから噴射し、徐々に近づくようにしてください。


大事な家や家族を火事の危険にさらさないように、万が一の場合も落ち着いて消火しましょう。先にも書きましたが、有事に備えた事前の準備は非常に大切です。この機会に自宅の消火器のチェックをしてみましょう。


※参考:「平成29年版 消防白書」総務省消防庁
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h29/h29/pdf/h29_all.pdf
(2018年2月19日最終確認)


備え・防災アドバイザー 高荷智也

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

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