トラブル解決術

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大雪予報が発表されたときの備えとは?

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普段はあまり雪の降らない地域に住んでいるのですが、今週末に大雪が降ると予報が出ており、何を備えればいいのかわからずに困っています。大雪予報が発表されたときには、どのような準備をすればよいのでしょうか。また、事前にできる対策についても教えてください。

大雪の中、外出をしないためにも準備と停電対策をしましょう。

雪国では当たり前の光景である大雪も、普段雪が降らない地域での大雪は災害となる可能性があります。しかし不意打ちで発生する大地震や突然降り出すゲリラ豪雨と異なり、大雪は事前に発生を知ることができる災害です。下記のような事柄を参考にしながら、事前の準備をきちんとおこなって備えましょう。


「大雪」に関する情報収集


●大雪による被害が想定される場合は「大雪注意報」「大雪警報」「大雪特別警報」
●大雪+強風による被害が想定される場合は「風雪注意報」「暴風雪警報」「暴風雪特別警報」


「災害の恐れ」がある場合は注意報、「重大な災害の恐れ」がある場合は警報、「50年に一度レベルの命に関わる状況」が想定される場合は特別警報が、それぞれ発表されます。このいずれかが発表された場合、交通機関の混乱、停電や断水、家屋などの倒壊といった被害に警戒しましょう。


「警報」は大雪の3~6時間前に発表されます。しかし大雪が明け方や夜間に予想されている場合は、夕方の時点で「明け方までに大雪警報・暴風雪警報に切り替わる可能性が高い」といった注意報が発表がされますので、気をつけてください。

以下、大雪の被害・影響についてわかりやすく箇条書きでご紹介していきます。


大雪のときに発生が想定される被害について


大雪は、電車やバスといった交通機関に影響をおよぼすだけでなく、さまざまな被害を引き起こす可能性があります。大雪のときの被害を事前に認識しておきましょう。


●公共交通機関への影響
・鉄道やバスの運休、大幅な遅延の恐れ


●自家用車・バイク・自転車への影響
・雪道装備がない自動車の運転が困難に


・バイクや自転車は雪道装備があっても走行が困難に


●ライフライン(電気・ガス・水道・流通)への影響
・着雪の重みや暴風雪による倒木で送電線が切断され、停電の恐れ


・停電すると水道の供給が停止する地域も

・自宅のガス機器に電気を使っている場合は給湯や調理も不能に

・道路が通れなくなると、店舗の商品入荷や郵便の配達なども困難に


●歩行時の転倒、自動車運転時の事故
・雪道を歩行している際に転倒してケガをする恐れ


・自動車のスリップ事故やブレーキ事故の発生


●カーポートやサイクルポートの倒壊
・雪国仕様ではない場合、簡易屋根は20センチ程度の積雪で倒壊する恐れも


大雪に備えた事前の準備


大雪や積雪時には、外出が困難になります。気象情報で大雪や積雪の予報が発表された際には、事前に生活に必要な備品を準備しておくことが大切です。


●食品や日用品の買いものを事前に済ませる
・普段の買いものとあわせ、停電時にそのまま食べられるものも準備する


●不要不急の外出を控える
・大雪の当日に外出をしなくて済むよう、事前に予定を調整する


●停電に備えて、電気のいらない暖房器具や調理機器を準備する
・カセットガスストーブ、電気不使用の石油ストーブ、カセットコンロなど


●自動車で外出することが避けられない場合は、雪道装備を準備する
・大雪時の自動車の外出には、スタッドレスタイヤやチェーンを装着


●カーポートの雪落としの道具を準備する
・地上から雪を落とせるように、雪落とし棒などを早めに購入しておく


大雪で積雪した場合の注意点


どうしても出かける必要がある場合や、外出中に大雪が降ってきた場合には、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。


●不要不急の外出は控える。どうしてもの場合は雪道対策をする
外出をしなければ転倒によるケガも交通事故も発生しません。基本的には大雪予報が発表された場合は、不要な外出は避けるようにしましょう。どうしても外出が必要な場合は次の点に注意します。


●徒歩で外出する場合は、靴と服装を対策し注意しながら歩く
・靴は防水かつ靴底に溝が多いものを選ぶ


・靴紐を普段よりキツめに締めて足を靴に固定する

・両手を空けるため、荷物はリュックかショルダーバッグに入れ、手袋も着用する

・歩くときは滑りやすい場所を避け、落雪など頭上にも注意をする

・滑りやすい場所は歩幅を小さくして歩き、前傾姿勢で足全体を着地させるようにゆっくり歩く

・自転車走行は絶対にNG、置いていくか押して歩く


●自動車での外出も控える。必要な場合は雪道装備で安全運転を
・自宅近くを車で走っている際に雪が降りはじめたら、早めに帰宅する


・カー用品店が近くにあればチェーンなどを購入して装着する

・いずれの対応もできない場合は、車を置いて電車・バスで帰宅する

・雪道装備で運転する場合、車間距離をあけて急にハンドルを切ったり、急ブレーキをかけないようゆっくり走る


●カーポートの雪下ろしは早めに
・雪国仕様でないカーポートは、降り積もる前に地上から雪を落とす


雪に慣れていない地域では、少しの雪でも混乱を招きます。そうした混乱を防ぐため、大雪の予報が発表されたときには安易に考えず、しっかりとした準備をすることが大切です。


備え・防災アドバイザー 高荷智也

筆者の写真

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

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