トラブル解決術

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家庭でできる火事予防策とは?

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最近、テレビや新聞で火事のニュースを多く耳にします。空気の乾燥や暖房器具などが原因だと思いますが、家庭でできる火事の予防策を教えてください。

目を離さない、寝たばこをしないなどの基本を守ることが重要。

消防庁のデータによると、全国で生じた火災の件数は4万8千件にのぼっています。出火の原因は様々ですが、家庭を原因とするものとしては次の8つが主要な原因となっており、これらに対して具体的な対策を施すことで火災の予防を行うことができます。原因別に火災防止のポイントを見てみましょう。


1位:放火および放火の疑い

2位:たばこ

3位:たき火

4位:コンロ

5位:電気機器・配線など

6位:ストーブ

7位:火遊び

8位:マッチ・ライター

※「平成25年(1月~12月)における火災の状況(確定値)」(消防庁)(http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList8_3.html)を加工して作成


■放火および放火の疑いへの対策

特に戸建て住宅の場合に注意が必要です。家の周りに新聞紙や雑誌、集めた落ち葉やゴミなどを置いておいたり、バイクや自動車に燃えやすいカバーをつけておくなどすると放火をされやすくなります。外周には物を置かないようにし、玄関だけでなく物置、物入れ、車庫などもきちんと戸締まりをするようにしましょう。


また夜間も門灯や玄関灯をつけておくか、センサー式のライトに変えておいたり、塀や垣根で外から死角になる部分をできるだけなくして置いたりと、防犯に意識を払うことでも放火をされる危険を軽減することができます。


■たばこへの対策

タバコによる失火を防ぐためには、とにかく寝たばこをやめることが重要です。また灰皿に水を入れておく、吸い殻はゴミ箱ではなく灰皿に捨てる、火のついたタバコを一時的にも放置することは絶対にやめる、その場を離れるときは完全に火を消すなどの意識が重要です。


■たき火への対策

家庭でたき火を行うことはあまりないかと思いますが、実施する際には万全の準備が必要です。まず風の強い火は避けること、燃えやすい物の近くではたき火をしないこと、そして水を入れたバケツや消火器などの消火用具を用意してからはじめることが重要です。またたき火が終わったら残り火がないように完全に火を消しましょう。


■コンロへの対策

IHや電気コンロからの失火はすくなく、基本的にはガスコンロからの出火が大半を占めています。よく天ぷらを揚げている際にはその場を離れないと言われますが、これは火災対策としては重要です。また元栓を閉めること、チャイルドロックを掛けておくことも有効といえます。なお地震が発生した際に、無理に火を消そうとすると大火傷を負う恐れがあるため、まず身の安全を図り揺れが収まってから火を消すようにしてください。


■電気機器・配線などへの対策

まず電気器具を正しく使うことと、ホコリを定期的に掃除することが重要です。またたこ足配線をしすぎないことや、コードの上に重たい物をのせて断線させないことにも注意します。どうしてもたこ足配線が必要な場合は、ホコリがたまりやすくなるためマメに掃除をするようにしてください。


■ストーブへの対策

たき火と同様、燃えやすい物の近くでは使わないことが重要です。カーテンや洗濯物の近くには置かないようにしましょう。特に雨の日に濡れた洗濯物のまえにストーブを置くことは大変危険ですのでやってはいけません。また石油ストーブに給油をする際には、ストーブの火を消して温度が下がってから入れるようにします。


■火遊び・マッチ・ライターへの対応

火遊びによる失火を防ぐためには、とにかく子ども一人で火遊びをさせないことにつきます。花火などをする際には消火の準備をした上で必ず大人が付き添うようにしましょう。またマッチやライターなどを手の届くところに置かないなど、基本的な対策を実施することが重要です。


■その他の対応

・住宅用の火災警報器を設置して火災の早期発見をする。

・寝具やカーテンの延焼を防ぐために防炎製品を使用する。

・消火器などを設置しておく。

などの対策を取れればさらに安心です。


備え・防災アドバイザー 高荷智也

筆者の写真

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

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