トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

「はん濫警戒情報」「はん濫危険情報」が発表された時の対処方法とは?

  • Facebook
  • Twitter

最近、川の近くに引っ越しをしました。近所の方に教えていただいたのですが、昔、大雨など気象状況の影響により、はん濫警戒情報が発表されたことがあったそうです。あまり耳慣れない警報ですが、はん濫警戒情報、はん濫危険情報とはどういった気象状況の時に発表されるのでしょうか?また、住んでいる地域に、はん濫警戒情報が発表された場合はどのように対処するべきでしょうか?

浸水エリアにいる場合、発表のレベルに応じて避難準備か移動を開始しましょう

■「はん濫情報(洪水予報)」の種類

高「はん濫【発生】情報」…洪水が発生している状態。

↓「はん濫【危険】情報」…危険水位を超え、避難が必要な状態。

↓「はん濫【警戒】情報」…水位が高まっており、避難の準備が必要な状態。

↓「はん濫【注意】情報」…要援護者がいる場合は避難の準備が必要な状態。

低「発表がない状態」…個人や家庭レベルではまだ行動の必要がない状態。


■「はん濫情報(洪水予報)」の内容と、発表時の対処方法

「はん濫情報(洪水予報)」は、特定の河川を指定してはん濫の危険性を伝えるための発表です。指定された河川付近に居住している場合には、発表のレベルに応じて避難の準備や避難の開始といった判断が求められます。


この「指定河川洪水予報」は、5段階のレベルで発表されます。

●「Lv5:はん濫発生情報(はん濫の発生)」(洪水警報が併発)

洪水が発生しています。万が一避難が間に合っておらず、すでに道路が冠水しているような場合は、自宅の上階などのできるだけ高い場所へ移動してください。


●「Lv4:はん濫危険情報(はん濫危険水位)」(洪水警報が併発)

河川の危険水位を超えており、洪水の可能性が高まっています。指定された避難所への移動を行ってください。


●「Lv3:はん濫警戒情報(避難判断水位)」(洪水警報が併発)

「避難勧告」の発表が判断される水位です。該当の河川付近で浸水のおそれがある地域に住んでいる場合は、避難の準備を行うか避難を開始してください。


●「Lv2:はん濫注意情報(はん濫注意水位)」(洪水注意報が併発)

「避難準備情報」の発表が判断される水位です。該当の河川付近で浸水のおそれがある地域に住んでおり、要援護者がいる家族の場合は、避難の準備を行うか避難を開始してください。


●「Lv1:発表がない状態(水防団待機水位)」

水防団が待機をおこなう水位で、避難行動などはまだ不要です。


■「はん濫情報(洪水予報)」と「大雨特別警報」について

洪水の発生状況については、雨の量だけでなく河川の整備状況や、その他様々な要因によって大きく変わります。そのため、「はん濫特別警報」というものは発表されません。

「大雨特別警報」が発表されている状況下で、近くの河川で「はん濫警戒情報」や「はん濫危険情報」が発表されたら、直ちに命を守るための最善の行動をとりましょう。


備え・防災アドバイザー 高荷智也

筆者の写真

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

※上記に関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。