トラブル解決術

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展示品を破損してしまった時の対処方法とは?

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先日、博物館に行った時に、近くの子どもが走り回って、小さな置物を倒してしまいました。すぐに警備の方が来ていましたが、このように博物館や美術館などで展示品を壊してしまったり、倒してしまったりした時にはどのように対処すればいいのでしょうか?

博物館等での展示品の破損は損害の程度によっては賠償責任が発生します

博物館や美術館、寺社仏閣などでの展示品の破損は、故意でなくても損害の程度によっては賠償責任を負うことになります。美術品や書画、骨董などの類は、破損や盗難を防ぐため、ガラスケースでの保護や規制線が張られているのが一般的です。また、監視のために警備員やスタッフ、学芸員などを随所に配置している施設もあります。そうした場所で、万一、お子さまが不注意で触れたり、持ったり、走り回るなどして破損をしてしまったら、すぐに近くの管理者へ正直に伝えるようにしましょう。施設の一部では、監視カメラも作動しています。黙って立ち去るなど絶対にないよう、まずは礼を尽くしましょう。


施設によっては、大きな手荷物、カバン等は持って入ることができず、予め入口付近のコインロッカーなどに預けてから鑑賞するように規制をかけているところもあります。規制がない施設であっても、できれば大きな荷物は預けて、身軽にしてからゆっくり鑑賞することをおすすめします。お子さま連れでしたら、子どもの手をとって一緒に鑑賞するようにします。私語は慎む、走らない、押さない、展示品には絶対に触らないといった博物館や美術館での鑑賞マナーを我が子に教える、絶好のチャンスにもなります。


一般に、高価な美術品等には、破損や盗難、喪失などのリスクに備え、一定の保険がかけられています。ただし、アマチュアの作品等には、そうした補償が備わっていないこともあり、寺社仏閣に至っては参拝者のマナーに委ねられていることが多々あります。もしも軽微な破損で賠償を免れたとしても、後日、菓子折りを持参する、礼状を送るなど、心ある行動をとるようにしたいものです。


なお賠償責任が発生した場合、自動車保険や火災保険などで、賠償責任が補償される場合もありますので、加入している保険の契約内容をチェックしてみてください。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

筆者の写真

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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