produced by 損保ジャパン日本興亜

検索から探す

トラブル解決術

  • SONPOホールディングス損保ジャパン日本興亜

健康診断結果の尿検査の見方、尿蛋白とは?

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

2016.03.25 更新2017.03.16

健康診断の尿検査結果で、尿蛋白が(+)と出ました。これはどういう意味なのでしょうか。また、尿蛋白とは何ですか。尿検査で何を調べているのか教えてください。

尿検査では、腎臓できちんと蛋白を濾し取れているかどうかをチェックします。

いくら健康診断とはいえ、自分が出したおしっこを容器にとって検査するなんて、ちょっと抵抗がある…。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?


しかし、尿検査は非常に優れた検査だということをご存じでしょうか。その最大の理由は体に負担がかからないこと。採血は血管に針を刺すため痛みがありますし、レントゲン検査は通常の回数なら健康上の問題はないのですが、放射線被曝の可能性があります。一方、尿検査は日常的に私たちが排泄しているものをチェックするだけなので、痛みも何もありません。簡単ですが、非常に多くのことがわかるのです。


■尿の仕組みとは

尿は、腎臓という臓器で血液を濾過して作られます。このときに、赤血球や白血球、血小板などの血球成分とともに、タンパク質などの栄養素は血液内に残し、様々な老廃物を尿の中に含ませて体の外に出します。腎臓で作られた尿は尿管という管を通り、膀胱という袋に溜めておかれます。その後、一定量の尿が溜まれば尿意を催し、トイレに行って排泄するという流れになっています。


尿検査の目的の1つは、本来出てはいけないものが出ていないか、すなわちきちんと濾し取るべきものが濾し取れているのかどうかをチェックすることです。


■尿に血液が混じる場合

例えば、通常であれば尿に血液が混じることはありません。しかし、腎臓・尿管・膀胱・尿道という尿の通り道に傷がついていると、血液が混じる可能性があります。腎がんや膀胱がんなどの腫瘍性病変でも起こりますし、腎結石や尿管結石など小さな石(尿中の老廃物が固まってできるもの)が粘膜を傷つけた時にも見られます。さらには、腎盂腎炎や膀胱炎のように細菌感染を起こした際にも、粘膜の表面が荒れて潜血が認められることがあります。


■尿に糖分が混じる場合

また、通常であれば尿に栄養成分である糖分が出てくることはありません。しかし、糖尿病では血液中の血糖が増えすぎるために、十分に濾し取れなかった糖分が漏れ出てしまいます。


■尿に蛋白が混じる場合

今回のテーマである尿蛋白も、その1つです。

健康診断結果では陰性(-)が正常ですが、もし蛋白が混じっていると陽性(+)という反応が出ます。

尿に蛋白が出ているということは、腎臓の濾し取る編み目が壊れている可能性があります。疾患としては多くのものが考えられますが、慢性腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎症(糖尿病によって腎臓の機能が低下する)などが代表的です。ただ、過激な運動をした後や過労時にも尿蛋白が見られることがあります。


■その他の尿検査結果の見方とは

尿検査では蛋白の他にもいくつかの項目をチェックしています。


1つは、尿に血が混じっているかどうかを示す尿潜血です。もちろん、通常は混じりませんので陰性(-)が正常です。もし、陽性(+)だった場合には、膀胱炎、腎盂腎炎といった尿路感染症の場合もありますが、腎がんや膀胱がんなどの可能性も否定できませんので注意が必要です。


また、尿検査では尿糖もわかります。これも、通常は尿に糖が降りることはありませんので陰性(-)が正常です。血糖が高い場合には、陽性(+)になり糖尿病の可能性も考えなくてはなりません。


さらに、ウロビリノーゲンという項目もあります。これは、一定量出ていなくてはなりませんので正常は(±)になります。もし、陽性(+)であれば肝機能障害が現れていることもありますし、逆に(-)であれば胆道が閉塞している可能性もありますので、いずれにしても精査が必要です。


なお、どの項目についても陽性の程度によっては、(++)、(+++)と呈示される場合もあります。陽性という異常があれば、あまり心配しすぎずにまずは近くの医療機関で再検査を受けられることをおすすめします。


医師・医学博士 狭間 研至

健康的な生活を維持するために大切なことをお伝えします。

外科医として医療の現場で診療を行うとともに薬局運営も行う中で、病気予防の必要性を痛感しています。健康維持のために、日頃からできることや健康診断・検診の必要性をお伝えしていきます。

【URL】 http://www.pharmedico.com/index.html
【資格】 医師・医学博士
【執筆】 「薬局マネジメント3.0」(評言社)、「薬局が変われば地域医療が変わる」(じほう)、「薬剤師のためのバイタルサイン」(南山堂)、「薬局3.0」(薬事日報社)、「外科医 薬局に帰る」(薬局新聞社)、「がんにならないのは、どっち」(リンダパブリッシャーズ) など多数

※上記に関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。

この記事に関連するタグ

検索から探す